高校入試模試に挑戦してみよう! |
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年末の高校入試の模試に、萬斎さんの著書『萬斎でござる』(朝日新聞社発行)の一部分が登場しました。 |
| 今回出題されたのは、197ページからの狂言の世界の8段落目までの部分。 現役受験生はもちろん、かつてそうだった人も挑戦してみて下さい。(本は見ちゃダメよん〜) |
| 【問 題】 次の文章を読んで、あとの(一)から(六)までの問いに答えよ。 [1] 伝統芸能は、「難しそう、@かたくるしそう」と感じて、食わず嫌いの人も多いと思いますが、狂言は そんなに難しいものではありません。ごらんになったことのある方はおわかりだと思いますが、せりふも、 現代人にとっても比較的聞き取りやすく、理解しやすいものではないかと思います。それは、室町時代以来、 その時々の現代語で上演されてきたものが、せりふを台本に書きつけるようになった江戸時代に、その 当時の話しことばによって固定されたことによります。 [2] また、狂言には、おおらかで普遍的な笑いが盛りだくさんです。時代を超え、[ A ]の東西を問わず、 だれにでも理解できる生命力を持っています。B刹那的にぱっと笑いたければテレビを見ればいいと 思います。でも、もっと深くてバイタリティーのある笑いを求めているならば、ぜひ狂言を見ていただきたいと 思います。 [3] 私たちの和泉流で「名寄せ」と呼ばれる上演リストに載った現行曲二百五十四曲のうち、よく上演される のは、百から百五十曲ぐらいです。ほとんどの狂言は一幕物で単純な構成になっており、上演時間にして 二十分から三十分くらいの、日常生活の一コマを切り取った、肩の張らない物語がほとんどです。 ほがらかで楽しい狂言の世界を提示するものですが、演じる人間の気迫で世界を成しているからこそ、 舞台芸術になりうるのだと思います。 [4] また、狂言はほかの演劇に比べて、非常に、C多種多様な技術を要するものだと思います。声を使う 場合にも、しゃべる、語る、謡う。身体を使う場合にも、アクロバティックな技もあれば、舞うという様式的な ものから、パントマイムに近いような、食べる、寝るといった写実的な所作まで入っています。 [5] 能舞台という何もない空間でほとんど道具を用いないで演じるのが、最大の特徴のひとつです。こうした シンプルさ、日本独自のミニマリズムというのは、禅の思想からきているのではないかと思いますが、照明や 音響効果もありません。それは、狂言にとって枷でもあった反面、だからこそ技術が進歩したともいえると 思います。狂言はよく、「[ D ]の芸」といわれていますが、道具をほとんど使わないで、声と身体だけで 空間や時間を埋め、ないものをあると見せる。想像力で遊ぶ、高度な遊戯の世界であるという誇りを持って 演じています。 [6] たとえば『萩大名』という曲では、萩の花を出さないことによって、萩に対峙している人間が主役であること を強調します。また、そこにつくりものの萩を出してしまうと、どんなに「きれいな萩だ」といっても、「ああ、 こんなものか」と観客の想像力を封じ込めてしまいます。つくりものを出さないことによって、想像力で美しい 萩の咲いている庭を描出させたほうが、世界が広がるというわけです。 [7] また、『柿山伏』という曲では、柿をむしゃむしゃ食べるところがありますが、つくりものの柿の実を出さない ことによって、食べている人間の表情なり、手つきなりに集中してもらう効果があります。 [8] 『蚊相撲』という曲の場合も、蚊のような衣装などはつけず、蚊の特徴をうまく様式化した、軽やかに飛ぶ ような動きを繰り返すことだけで、ああ、この人は、確かに蚊だ、と見る者を納得させます。 これが狂言の演技です。 (野村萬斎『萬斎でござる』による) (注) ○[1]〜[8]は段落符号である。 ○アクロバティック=軽業的。 ○ミニマリズム=できるだけ少ない要素で、できるだけ大きな効果を挙げようとする主義。 ○枷(かせ)=行動の自由を妨げるもの。 |
| (一) @かたくるしそう とあるが、「かたくるしい」と反対の意味を表すことばを、第三段落の文章中から そのまま抜き出して、六字で書け。 |
| (二) [ A ]にあてはまる最も適当なことばを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書け。 ア 国 イ 洋 ウ 世 エ 海 |
| (三) B刹那的 に似た意味のことばとして最も適当なものを、次のアからエまでの中から選んで、 そのかな符号を書け。 ア 理性的 イ 絶対的 ウ 瞬間的 エ 客観的 |
| (四) C多種多用な技術を要する とあるが、狂言を演じる際にこれ以外に必要なものを、第三段落の文章中 からそのまま抜き出して、八字で書け。 |
| (五) [ D ]にあてはまる最も適当なことばを、次のアからエまでの中から選んで、そのかな符号を書け。 ア 素人 イ 素顔 ウ 素直 エ 素手 |
| (六) 第五段落において、著者自身が狂言の世界をどうとらえているかについて述べている。それを要約して、 七十字以上八十字以内で書け。 ただし、「空間」「想像力」「世界」の三つのことばすべて使って、「筆者は、・・・・・・」という書き出しで書く こと。三つのことばは、どのような順番で使ってもよい。 (注) ・句読点も一字にに数えて、一字分のマスを使うこと。 ・文は、一文でも、二文以上でもよい。 |